括弧の


急ぎ足
(愛も夢も何もかも、足早に通り過ぎてゆく)

ララバイ
(眠れぬ夜にはそっと唄うよ、ただ君のためだけに)

神様どうか、
(彼を愛してしまった私を赦さないで)

ありがとう
(さよならをそっと込めて微笑んだ)

愛しさと
(混ざり合う悲しみに気付かぬふりをした)




最後のキス
(もう二度と届かないと、諦める瞳が悲しすぎて)

あなたの声
(大好きだったよ、伝えられなくてごめんね)

もらい泣き
(ほら、泣き虫なキミのせいで僕まで涙が止まらない)

ヘブンズゲート
(地球でも火星でも、キミの隣だけが僕の天国)

楽観的落下
(このまま墜ちた先に二人きりの世界がある、とか思い込んでみた)




約束
(キミが忘れてしまっても、僕が朽ちてしまっても)

窒息
(目も耳も鼻も全部塞いで、唇だけで感じ合いたい)

聖域
(その恋は穢れず、その愛は消えない)

心中
(共に死ぬことは、共に生きるよりもずっと簡単で)

渇望
(いちばん欲しかったものは、もう手に入らない)




寂寞
(音も無く散っていった、あれは)

未来
(そんな不確かなものはいらないから)

刹那的世界
(死すら平等ではないというのなら)

傷付くたびに
(臆病になってゆく、そして優しさを知るのだろう)

暗闇が恐ろしい理由
(溶けて消えてしまいそうだからだと、キミは笑った)

捕食者の憂鬱
(愛しいキミのことさえも、食べたくて仕方がないんだ!)




死に絶えた幻想
(夢見ることもできないのならいっそ壊してしまおうか)

盲目アリス
(貴方の死体すら、きっと愛しく思うのでしょう)

血液奪取計画
(君の体内を巡る赤い液体はさぞかし美しいのだろう)

影踏み
(そしてまた、わざと捕らわれるのです)

蜘蛛の糸
(羽根を手折るその腕はひどく優しい)




ラビリンス
(逃がさないよと、貴方は笑った。)

狂愛トリック
(君が手に入るなら、僕は悪魔にだってなるだろう)

未だ懺悔の道すがら
(許しを乞うて差し出した腕が冷え切ってしまっても)

願いごとひとつだけ
(幸せになりたいと思うのは愚かなことですか)

夢の箱庭
(閉じ込めたいつかの想いが暴れ出す前に)




トワイライト
(世界は何度でも生まれ変わりそしてまた僕を置いてゆく)

さらば楽園
(そうして旅立つ君の背中を僕はただ見ていた)

真を語るは宵の夢
(呟くように口にすれば溶けてゆく幻)

朝露に残滓消ゆ、
(確かに其処に在ったのだという証明さえ、もう意味を成さないのですか)

忘れえぬ手のひら
(たった一度きりだった、それでも私は)




指先で溶けた雪
(想いだけ、溶けずに残った)

繰り返す記憶
(思い出にはできなくて、あの日そっと触れた指先が今も痛い)

忘れた筈の想い
(貴方の温度が、忘れられない私を責めた)

逃げ口上にもならぬ
(然れど立ち上がる気概も持たず)

儚すぎた世も愛も
(そうしてひとり嘆いたとて)




あえかなる白腕で
(今一度抱きしめてはくれまいか)

卑しくも美しき
(愛、などと容易く呼べるものか)

我が血にて贖いませう
(こうして業は巡るのだ)

飼い殺す切っ先
(錆び付き折れるその日まで)

死すれば重畳
(そうして貴方は戦場へ)

禍つ世なれど
(是も非もなく生きて)






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