繋がれていたのは私なのか、それともあなたなのか

瞼を押し上げて、揺れる景色の中にキミはもういない

愛を知った人魚姫、儚く消えるは世の定め

いつだって僕達は、間違いを間違いだと言えずに

拾っては捨ててゆく、大事なものと気付かずに




空気中に霧散するキミの欠片をすべて飲み込んでしまいたい

こんな私を笑うのならば、どうぞ遠慮なさらずに。

確約が欲しいのならば小指では足りないだろう

待ち人来たらず、そう言って嘲笑で誤魔化すのです

愛していますと、ただその言葉だけがあれば待っていられたのに




夢の中でさえ貴方に逢うことは叶わないのですね

立ち尽くすこの場所でただ、優しい幻を信じていたかった

ただいまを言えない虚しさも、おかえりが聞けない寂しさも、伝えたい相手はもういない

何も無くなった世界で、置き忘れた心が愛しいと叫ぶけれど

もう戻らないあの日、濁った空の色を未だ覚えてる



 
思い出はいつも雨なんて、笑い話にもならないわ

約束を守ればよかったのか、あなたを護ればよかったのか

見えない明日に怯えるキミが酷く滑稽で哀しかった

あの星が沈んだら、いつか夢見た楽園に帰ろうか

極彩色の世界の中で、ただただ灰色なキミと僕




幾つもの咎が僕らを縛り付けていたとしても

○○○○、その四文字だけが喉に貼り付いて出てこない

いつかの約束が、戒めとなって僕の足に絡みついた

さよならを告げたあの日の蒼い空が、未だ僕の胸を締め付ける

指先の青い薔薇はもう散っただろうか




曇り硝子の向こうでそっと微笑んだオレンジ色の君

この極彩色の世界に僕等の居場所なんてある筈もなくて

冷たい牢獄で愛を囁く愚かな僕等

偽りしか吐き出さぬ喉笛など噛みちぎってしまえ

春に恋う冬の精のようだと君は嘲笑った




死にたがりの幸福論など聞く価値もないよ

くだらない浪漫主義に付き合う義理など欠片もないさ

空っぽのグラスに注ぎ込んだ絶望の色は、

揺れる貴方のすべてが愛しくて、揺らぐ貴方のすべてが憎かった

言葉はいらない、優しい口付けが愛を語るから




緩やかな放物線を描くように、僕の想いよ君に届け

小さな温もりが、僕に幸せを教えてくれた

恥ずかしがり屋の君が、小さく愛を呟くから

いつか何処かで恋の歌、君と2人で愛の唄

抱き合う僕等を隠すように、柔らかな雪が降り積もる




誰か彼女にラブとライクの違いを教えてやってくれ

愛は憎しみに変わるなんて大嘘吐いたのはどこのどいつだ

プラトニックラブなんてくだらない、僕は君のすべてが欲しいんだ!

頬を辿る指先に、嬉し涙よと君は笑った

麻薬のように脳を侵す君の声にいっそのこと溺れてしまおうか




胸に抱いた見知らぬ感情を、君の躯に突き立てた刃ですべて壊してしまいたかった

さらば初恋、薄暗い棺桶の中で永久に眠るがいいさ

この想いを貴方の血に混ぜて飲み下してしまいたい衝動

狂愛を嘲笑う者たちよ、狂うほどに欲することの苦しみと喜びを知らぬことの愚かさを嘆くがいい

うち震える雨音の重奏、時過ぎゆく虚しさの小曲、されど想いは燻ぶりて残り






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